源氏物語絵巻拝見
名古屋市の徳川美術館で開催中の「源氏物語絵巻」展を見てきた。今回もカミサンの強い要望だ。唐突に名古屋へ行きましょうと云い出す。先だって伊良湖岬まで車を走らせた折、徳川美術館にも寄ってみたいと駄々をこねたカミサンだったが、その時は他の目的を優先させ、いつか機会があったら連れて行ってやるとみのる君が安請合いしたものだから、しっかり覚えており、徳川美術館で国宝の源氏物語絵巻を公開しているの、この前の約束を果たして頂戴と迫る。時間が無いのよ、今から行きましょうと強引なお誘いだった。例によって夜中の移動を提案したが、受け入れない。睡眠不足の目で源氏物語は見たく無い。ホテルにでも一泊して、翌朝、ゆっくり鑑賞したいと云う。今から宿を確保して出発すれば、夕方には名古屋に着くでしょう、とりあえず宿を押さえて出掛けましょう。仕方ないね。みのる君はネットで何とか宿を確保し、昼に車で出発、その晩、自宅から400㌔以上も離れた名古屋でカミサンは名古屋名物のひつまぶしを堪能していた。みのる君は冷酒で酔っ払う。
翌朝、開場時間前には徳川美術館に到着したが、すでに駐車場は満杯。美術館の入口は長蛇の列だった。カミサン同様が大勢詰めかけているようだ。切符を買うのも一苦労だったが、何とか入場。人混みの中をみのる君はさっさと一巡、カミサンはじっくり2時間以上も費やして観ていた。みのる君は常設展示や蓬左文庫も一巡し、時間が余ったので喫茶室でカミサンを待つ羽目となった。それにしても人が多い。源氏物語でこれだけの集客とは恐れ入った。国宝の一端を拝見出来たが、書物で見ていた方が余ッ程落ち着くと思う。文学系の女子大生の一行かな、何やら難しい会話をしており、何となく心強い印象を持った。喫茶室でカミサンと簡単な昼食を取って表に出てみると待ち時間1時間の案内板が出ており、列は途切れる事はなかった。その後は徳川園をぐるり一周して駐車場へ戻ると、やはり駐車待ちの車が列を作っていた。
帰路は呑気に一般道を走って多治見付近を通過した際、虎渓山永保寺の看板を見付けたカミサンが驚く。何よ、前々から訪ねたかった永保寺って、多治見にあったの、知らなかったわ、夢窓疎石が建てたお寺よ、国宝の開山堂や六角堂があるはずよ、是非見たいと例によって駄々をこねる。やむなく立ち寄る事とした。すでに日は西にあって、間もなく日没時分だったが、何とか境内を巡る事が出来た。今回は大収穫だったわ。カミサンはニコニコしていた。そして、いつしかみのる君に運転を任せて寝入ってしまった。