夢を諦める
みのる君が諦めた夢の一つが「私設天文台を作る」こと。借金人生には到底叶わぬ夢で、結構早い時期に放り出してしまった。元来、他愛無い夢だったが。
どっか見晴らしの良い山に土地を買って、本格的な天体観測施設を作りたい。そして、昼夜逆転の生活を満喫しながら、新しい彗星を発見する。まるで世捨て人、隠遁生活者を気取りたい。
少年時代の切なる希望だったが、ネオン街で浮かれる内に借金が膨らみ、駄目だこりゃ、とさっさと諦めてしまった。今もチャンスを窺っている気配はあるけれど、長い歳月、意欲的に天文学を身に付けたためしも無いから、夢は形骸のみ。毎月欠かさず天文雑誌を講読しているけれど、破れた夢の惰性。
昨日の早朝4時、目覚めたついでに庭へ出てみた。満点の星空(良く見えると云う意味で、満点。あえて満天とは云わない)。そろそろ極大を迎えるしし座流星群の一端でも見られたら幸い。しばらく空を眺めていたけれど、みのる君の無精にお付き合いする程、自然の摂理は律儀では無かった。星は流れず。シリウスの鮮やかな輝きを楽しんだだけだった。
先週、久し振りに宇宙ステーションを拝んだ。夕暮れ時、仕事の手を休めて、職場の女性等にも声を掛け、表に出ると、待つ間も無く南西に明るい光芒が現れ、頭上を超えていった。初めて宇宙ステーションを見た女性陣は賑やかにはしゃぐ。ささやかな天文普及活動。
努力しないから夢は実現しない。しかし、努力は大変だし、面倒だし、億劫だから、あわよくば、に望みをつないでいる。
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