カテゴリー「雑記」の記事

2009年11月16日 (月)

夢を諦める

 みのる君が諦めた夢の一つが「私設天文台を作る」こと。借金人生には到底叶わぬ夢で、結構早い時期に放り出してしまった。元来、他愛無い夢だったが。

 どっか見晴らしの良い山に土地を買って、本格的な天体観測施設を作りたい。そして、昼夜逆転の生活を満喫しながら、新しい彗星を発見する。まるで世捨て人、隠遁生活者を気取りたい。

 少年時代の切なる希望だったが、ネオン街で浮かれる内に借金が膨らみ、駄目だこりゃ、とさっさと諦めてしまった。今もチャンスを窺っている気配はあるけれど、長い歳月、意欲的に天文学を身に付けたためしも無いから、夢は形骸のみ。毎月欠かさず天文雑誌を講読しているけれど、破れた夢の惰性。

 昨日の早朝4時、目覚めたついでに庭へ出てみた。満点の星空(良く見えると云う意味で、満点。あえて満天とは云わない)。そろそろ極大を迎えるしし座流星群の一端でも見られたら幸い。しばらく空を眺めていたけれど、みのる君の無精にお付き合いする程、自然の摂理は律儀では無かった。星は流れず。シリウスの鮮やかな輝きを楽しんだだけだった。

 先週、久し振りに宇宙ステーションを拝んだ。夕暮れ時、仕事の手を休めて、職場の女性等にも声を掛け、表に出ると、待つ間も無く南西に明るい光芒が現れ、頭上を超えていった。初めて宇宙ステーションを見た女性陣は賑やかにはしゃぐ。ささやかな天文普及活動。

 努力しないから夢は実現しない。しかし、努力は大変だし、面倒だし、億劫だから、あわよくば、に望みをつないでいる。

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2009年9月28日 (月)

旧友と再会

 学生時代の友人であり、同人誌の重鎮、啓さんと久し振りに再会した。

 彼は大学卒業後、ずっと地元のむつ市に住んでいる。都会の垢を落として、すっかり地元に根付いていた。東京は世田谷のアパートで夜通し語り、飲み明かした時代、井の頭公園で大騒ぎしたり、狭山湖で野球に興じた時代はすでに遥か彼方の出来事。お互い老けたね。

 恐山から急いで下山し指定されたむつ市内の店に着くと、すでに啓さんご夫妻が待ちわびていた。ごめん、ごめん、すっかり遅くなってしまった。みのる君夫妻は平身低頭して座敷にあがった。一日で津軽と下北を回るのは無茶と云うものだ、と、たしなめられてしまった。啓さんご一家は龍飛崎から十三湖を1泊2日でのんびり廻ったと云う。みのる君の強行軍とは大違いだ。風が凄かったでしょう。私達が十三湖を訪ねた時は、立ってられない程の風が吹いていたわ。いや、今日は天晴晴天、穏やかな日和でした。北海道も見られたし。みのる君らは運が良かったかも知れない。

 実は、龍飛崎に着いた時点で啓さんに一報しておいた。今、龍飛崎にいるけれど、夕方、ご尊顔を拝しにお邪魔しても良いかな。いきなりの電話に啓さんは面食らったご様子だったが、拒む事もせず、すばやく段取りを付けてくれた。了解。では、ご指定の場所で会おう。知らない土地の知らない店の名前を告げられたが、そこら辺で聞けば分かるだろうと云う啓さんのいい加減な助言に従って、むつ市に着くやたまたま目にしたタクシー会社の営業所で店の場所を聞けば、すぐ裏手にあった。さすが地方都市だ、地元の情報は共有されている。

 ドライブ途中の身の上なので、アルコールは呑めなかったが、啓さんは美味しそうにビールを呑みやがる。先年身体を壊したと云うが、少しのアルコールは問題無いし、晩酌は欠かさないと云う。若い頃は一升ビンを空にする元気があった啓さんも、さすがにこの頃は控え目をモットーにしているようだ。

 海鮮料理を味わいながら、過日の東京での同窓会の報告(北海道の原君の報告書にも目を通していた由。無精して報告書のお礼を出していないと云う。いかにも啓さんらしい)や家族、健康の話題で盛り上がり、あっと云う間に時が過ぎてしまった。

 みのる君達は旅の途中。まだスケジュールが残っているから、のんびりしていられない。突然の来訪でご迷惑をおかけしてしまい、これもみのる君のいつもの強引無礼、許しを願うのみ、深くお詫びを申し上げ、又の再会を約し、午後8時前に店を離れた。啓さんの細君からご丁寧にお土産まで頂戴してしまい、カミサンはすっかり恐縮してしまっていた。啓さん、今度は一緒に呑もうぜ。みのる君と啓さんは固い握手を交わして別れた。

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2009年9月 2日 (水)

久し振りの同窓会

 32年振りに同人誌仲間の同窓会を開いた。一年前から計画していた割には諸事多忙の世代ゆえに集まりは悪かったが、懐かしい面々と久し振りの再会を果した。

 東京御茶ノ水の「山の上ホテル」のロビーへ集合、と云う掛け声で全国各地から同人が参集。当日になって不参加を申し出る同人もいる始末で、約束なんか屁とも思わない連中が集まった同人誌の仲間たちは昔と少しも変わっていなかった。

 お互い老けたねと云う常套句で始まったが、話し始めれば全員意気軒昂、風貌は変われど、精神年齢は若い時分とまるで同じ。みのる君のカミサンはちっとも変わっていないね。仲間たちからお世辞を云われ、カミサンは上機嫌の呈。ワイワイガヤガヤとロビーで大騒ぎした挙句に新宿へ繰り出した。

 新宿は人が多過ぎる。みのる君はウンザリしてしまったが、他の連中はいたって平気の様子。昔より賑やかだね、なんて云いながら人ごみをかき分け、押しのけ、日が沈む前には居酒屋に陣取って乾杯だ。昔話や近況報告に文学論、以前は無かった健康談議も交えて賑やかな一時を過ごした。アルコールを禁止されている輩もいて、結局、極めて頑強なみのる君一人がぐいぐいと呑む。長いブランクがありながら、行き会った途端に学生時代に戻れる間柄は貴重だね。

 次回は葬式か墓参か。今生の別れになるやも知れない、などと云いつつ、再会は何度あっても良し、又、企画しよう。翌日に仕事を抱えた同人を東京駅まで見送った後は、全員がホテルに戻った。みのる君は少々呑み過ぎ、さっさと休息したが、別館に泊まった連中は深夜まで懐旧談か怪しい相談で盛り上がったらしい。

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2009年3月 8日 (日)

三島で酔っ払う

 昔、箱根のホテルで全国規模の大集会があって、事務方として職務に励んだ翌日の晩、折角ここまで来たから、昔の仲間に会おうなんて欲を出して、三島くんだりまで仲間を呼び出し、居酒屋でたっぷり呑んだ事がある。二晩徹夜騒ぎの仕事の後だったから、しかも相手が女性だから、良い調子で呑んでしまった。呼び出された方は大迷惑だったかも知れない。年に一、二度程度は東京で落ち合って呑んでいたけれど、たまには彼女の地元近くで呑むのも良し、なんて浅薄な考えだったが、仕事疲れもあって、又、これから田舎まで戻らなければならないし、夜道を彼女一人帰すのも危ないし、呼び出した手前費用はこっち持ちながら若干手元不如意でもあり、あまり深酒も宜しく無い、何だかんだ思案する内、結局、すっかり酔っ払ってしまい、駅まで彼女に送って貰う始末。夜中の新幹線三島駅はガランとしていた。

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2009年3月 7日 (土)

素潜りの魚取り

 学生時分、岐阜の山奥の小さな川に潜って、魚取りを経験した。先の尖った銛だかヤスで獲物を捕獲するなんて、初めての体験であり、二度と味わう事の無い冒険だった。

 夏休み、時間に無頓着な薫君の実家に遊びに行った折、近所の川に案内された。薫君はとんでもない山奥から上京した野生児で、田舎とは云え首都圏の平野部でバンカラに育ったみのる君のセンスとは大違い。魚は素手で掴む程の技量を持っていた。近所の後輩を引き連れて、冷たい川の中を魚を求めて、上へ上へと登って行く。真夏とは云え水は冷たく、深い山中、ヘビに怯えながら、みのる君は必死に付いて行った。時折、岩陰を覗き込んでは魚の気配を探る。小さいのがちょろちょろと泳いでいるのが見える。薫君は手にしたヤスですばやく突き刺す。魚の方が一枚上手。軽く身をかわして岩陰に隠れてしまう。初心者のみのる君には手に負えない。文化人には出来ない荒業。

 小一時間も川を行ったり来たりして、数匹を捕まえた。岸に上がって、火をおこす。串刺しにした魚を焼く。そして、程よく焼けた所で丸かじり。これは美味かった。獲ったばかりはさすがに新鮮だった。素潜りも新鮮だった。あいにく、魚嫌いのみのる君は獲った魚が何だったのか、すっかり忘れてしまった。美味ければ良し。極めて大雑把な文化人さ。

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2009年3月 6日 (金)

釣り嫌い

 エサに釣られる呑気な魚を待って、じっと時を過ごす。みのる君にそんな根性は無い。せっかちな性分だから、即座に答えの出ない遊びは応える。だから、太公望になれない(と、思い込んでいる)。

 昔、強引なリョウさんに誘われて、河原で糸を垂れたことがある。まず、エサを付けるのも気味悪い。可哀相だし。気持ちよく泳いでいる魚をエサで釣るなんて、失礼極まりない。文句を云いながら、しばしお付き合いしたが、しばらくして、突然、手応えがあった。糸が張りつめ、引っ張られる。おいおい、何か引っ掛かったぞ。みのる君は慌ててリョウさんを呼ぶ。大騒ぎして吊り上げた雑魚。確かに、釣れた瞬間は面白い。ぐいぐいと引っ張られる感触は爽快だった。

 以後、全く釣りの経験は無い。あの時の緊迫感は楽しかったが、所詮、偶然の産物。気長に糸を垂れる境地には無縁。あちこち車を走らせている方が性に合っているみたい。

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2009年3月 5日 (木)

将棋好き

 子供の頃、よく親父殿と将棋を指していた。相手は飛車と角抜き、二枚落ちにもかかわらず、まるで勝てなかった。純真な子供と狡猾な大人との違いか。ようやく対等になれたのは、高校生時分になってからだ。親父殿も息子を侮れなくなったと見えて、二枚落ちを止め、本気に攻めてくるようになった。こっちも真剣。10回やって、3、4回位の勝率を誇るようになったが、今度は多忙を理由に相手にされなくなってしまった。

 詰め将棋も好きで、雑誌の片隅に載っている詰め将棋に熱中していた時期もある。

 みのる君の子供が成長するに従い、やはり将棋に興味を示した。しばし相手をしたが、子供が飽き性だった所為かな、やがて、息子は関心を示さなくなってしまった。

 家族で天童を旅行した折、駒と将棋盤を購入したが、今では埃にまみれている始末。みのる君自身が将棋を指す余裕を見失ってしまったのかも知れない。

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2009年3月 4日 (水)

手品好き

 手品の類が好きで、時にはテレビのマジックショーを楽しんでいる。最近のマジックは物凄く進化していると感心する。

 子供の頃はトランプの手品を幾つかレパートリーにしており、友達や家族に披露していた。自分の子供が育ってきた頃は、ほとんどネタも忘れていたが、ネタ本を買って復習。時々、子供達に手品を見せていた。人が驚く様子を見るのが好きなんだなと思う。瞬間的に手に持ったカードを隠す技は今でも衰えてない。ちょっとしたサービス精神さ。

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2009年3月 2日 (月)

パチンコ三昧

 東海二君が葉書にも出ていたが、その頃、みのる君も結構パチンコに凝っていた。開店と同時に店に入り、閉店時間まで粘っていたこともある。学校近くの店に入り浸り、講義が始まる頃になると、ここは俺の台だぜ、なんて目印代わりに台にタバコを置いて授業に赴く。この目印が絶大で、誰も横取りしなかった。呑気な時代だったのか。学生街の治安の所為か。度々打止めの快挙も味わい、これで喰っていこうか、なんて本気に思案した時期もあった。海二君と旅行中、金沢の駅前のパチンコ屋でひと儲けの欲に走って、乗るべき電車を遣り過ごした挙句、結局、散々な結果となったこともある。お陰で次の京都方面行きの電車到着まで随分と無為の時間を過ごしてしまった。学生街のパチンコ屋の景品には文学書なんかも置いてあって、みのる君の書棚には、戦利品の書物が今でも幾つも鎮座している。

 やがて、パチンコは手動から電動に変わった。ちょうど潮時。射幸心をあおるゲームに興味を失い、みのる君は二度と足を運ばなくなってしまった。

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2009年3月 1日 (日)

葉書に書かれた長文

 東海二君がみのる君に宛てた葉書をご紹介。限られた紙面に、珍しく小さな文字で愚にも付かない内容がびっしりと書かれていた。ただ、葉書にこれだけのボリュームを盛り込むのは貴重だと思う。メールで事足りてしまう昨今、たまには気合を入れた手書きの文章も大事だろうと思う。

 拝啓。お達者ですか、小生、先日、電話にて十三日頃帰省の予定とお知らせ致しましたが、生来の怠惰癖故か、フンギリがつかぬまま、為す術なく日を経るうちに、郷里より、ちょっとした用事を依頼され、二十一日頃迄、下宿の薄汚い四畳半に留まる破目にあいなりまして、小生の御帰還を首をなごうして、待ち望み、慢性となった欲求不満の顔と軀を喫茶店に運び、ふんぞり返って煙草を喫っているかも知れぬ君には、残念至極なことであろうと推察する次第でありますが、葉書という枠の存在のため、突如話が飛ぶのは止むを得ないことでありまして、小生、先日来、”扉”という題の、扉についての純粋に物理学的、人間学的考察を織り込んだ、近年稀に見る迷篇の完成を目論んで居りましたが、ふとした拍子に、哀れにも陥穽に落下し、汚水の中で美女とつるむがごとき得体の知れぬ混濁の中で、三島由紀夫の”仮面の告白”に対抗する”空白の告白”という、文学形式上の新な試みに憑かれ、想を練るうち、崩壊の予感に怯えるに至り、ついにペンを投げやり、無残な敗北感を持て余し、御存知、河原町今出川角のパチンコ店に傷衰の軀を運び、球技に熱中致しました所、見事、千三百円也を稼ぐことを得まして、身染めな憂ウツを蹴散らしたつもりになりまして、それ以来、無為な生活が再開されまして、我がツラ映す鏡には衰弱気味の憂き顔を見出すのみで”盛者必滅の理”といっても、小生は盛者であったことは唯の一度も無く、詰まり冴えないことはなはだしいのでありますが、これも身の因果(何の因果か?)と諦め、ひたすら、意識の革命を成遂げんとあがいて、想像力を鍛えることのみに専念しようとしても、世俗的な雑念が入り込む余地は幾らでも有るというわけで、結局、何の進展もないというのが実情であります。ところで君は”唱導文学”というのを知って居りますか、これ、日本文学概論の試験に出題された奴で、小生、皆目解らぬから、斜め後ろの美女に聞いたら、平家物語がその中に含まれるというので、滅法、平家について書きなぐってやったが、後で広辞苑で調べても載っていない、君、知っていたら教えてくれい、例の同人誌、幾つか読んだが、内容は最低、期待しない方が良かろう。

 せんじ詰めればパチンコの成果報告と質問。書くのは大変だったと思うが、読む方もしんどかった。

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