カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2009年5月30日 (土)

クライマーズ・ハイ

 過日、WOWOWで「クライマーズ・ハイ」を拝見。原田眞人監督。堤真一、山崎努、堺雅人等出演。2008年製作。

 谷川岳衝立岩を初登攀した東京雲稜会とか、大久保清、連合赤軍等身近だったニュースや知人の話題が飛び交う映画と云うことで、興味を持って拝見したが、少々ガッカリだった。スクープに血眼の新聞記者にうんざりしてしまうが、客観性を失いかねない報道の危うさは見事に出ている。大手新聞社に対する対応意識は理解出来るものの、いささか乱暴。販売担当の言い分や広告の意味を忖度しない主人公の尊大さに呆れてしまう。地方紙の社長は類型的だし、偏見だし、監督の独り善がりか、クライマーズハイか。期待して観たので、落胆は大きかった。大久保事件や連合赤軍事件を報道する側にいた親父殿がこの映画を観たら、どんな反応を示しただろうか。現場を懐かしむか、大笑いしたか。多分、両方だっただろうな。

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2009年1月22日 (木)

母べえ

 TVで山田洋次監督、吉永小百合主演の2007年製作、「母べえ」を観た。途中からの拝見だったのが残念。仕事が終わって帰宅、夕食後に何気無くチャンネルを回していて放映に気付いた次第。今度は最初から見直さなければ…。黒澤明監督のスクリプター、野上照代の自叙伝の映画化。

 どんな困難にも懸命に立ち向かっていく吉永小百合が良い。素直な子供等も良い。茶髪の青年には笑ってしまったが、比較的冷静に戦争を捉えていた。暗い世相もしっかり描いている。次の展開が分かってしまう辺りは物足りない感じもするけれど、歴史通りだから仕方無いか。隣組やら灯火管制、出征風景、思想犯の取調べ等々、わずか60数年前の窮屈な時代が丹念に描かれており、良い教材にもなる。

 戦後生まれのみのる君には馴染みの無い時代背景だが、父母から散々聞かされて来たお陰で、又、昭和30、40年代に公開された戦争映画もたっぷり観て来たので、何やら懐かしい気持ちにすらなる。

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2009年1月 4日 (日)

かもめ食堂

 元旦にTVで「かもめ食堂」を観た。2005年製作、荻上直子監督。小林聡美、もたいまさこ、片桐はいり出演。

 「転校生」以来、小林聡美の隠れファンの一人と云う単純明快な理由で、ついつい観てしまった。正月にはふさわしい映画だったかな。現実離れしているが、心落ち着く映画。最初は不気味だった片桐はいりも、見慣れると違和感が薄れる。もたいまさこも何となく気味悪い感じだったけれど、終盤になれば気にならなくなる。余計なお世話だが、観光ビザの旅行客の長期滞在が気になってしまった。日本かぶれの外国青年がちょうど良いアクセントか。小林聡美の食堂主人役が魅力的。日課の合気道にも感心。平板な日常を丹念に描いた映画。

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2009年1月 3日 (土)

織田裕二の「椿三十郎」

 TVで織田裕二の「椿三十郎」を拝見した。2007年、森田芳光監督。

 やっぱり三船三十郎の方が面白かった。織田は貫禄負けかな。リメイクの難しい所。観始めて、すぐに脚本が同じ事に気付いた。本棚から「全集黒澤明」(岩波書店)を引っ張り出して確認すれば、まさに的中。全く同じ脚本では、三船には勝てないだろう。興ざめしたものの、最後まで観てしまった。ラストの決闘シーンをどのように撮るのか。少しは期待していたが、やっぱりガッカリ。一瞬で決着しなければ三十郎の苦渋が伝わらない。

 黒澤明の「椿三十郎」を愛する人たちには物足りない映画だったか。黒澤を知らない世代には新鮮に写ったかも知れない。

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2008年12月 6日 (土)

暗くなるまで待って

 テレンス・ヤング監督、オードリー・ヘプバーン主演のサスペンス映画。1967年アメリカ。

 ラブコメディがお似合いのオードリー・ヘプバーンが盲目の主婦に扮して孤軍奮闘。映画館で観た時、最初は何となく違和感があったけれど、物語の展開に引き込まれてしまった。終盤、冷蔵庫が命取りになりかねない状況に至った時は、ハラハラドキドキが最高潮。まさか、冷蔵庫が大変な役を担っているとは思わなかった。杖も重要な小道具。怖いね。こんな演出もあったのか。みのる君の一人合点。観終わって映画館を出てしまうと、やっぱりオードリーには似合わないな、なんて思ってしまった。これも、映画の魅力かしら。

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2008年12月 3日 (水)

忍びの者

 山本薩夫監督。1962年の大映映画。主演は市川雷蔵。翌1963年に「続・忍びの者」が作られている。伊藤雄之助の百地三太夫が凄かったと云う印象がある。忍者映画と云うより人間臭いドラマ展開。

 みのる君がゾッとしたのは、雷蔵扮する五右衛門が天井から糸を垂らして信長(だったと思う)を毒殺しようとするシーン(このシーンが「忍びの者」だったか「続・忍びの者」だったか、記憶は定かで無いが)。成程、こう云う方法もあり、かと思った。うかうか口を開けて寝ていられない。今でも、「忍びの者」と云えばこの強烈なシーンを連想してしまう程。当時、みのる君に大変なショックを与えたのだろうと思う。

 白土三平の「忍者武芸帳」や横山光輝の「伊賀の影丸」が流行っていた頃だったと思う。みのる君もご多分に洩れず、忍者漫画を愛読し、自らもストーリー漫画を作っていた。通信社に勤めていた親父殿が子供達のお絵かき用にと、毎日のように不用になったゲラ刷りのニュース原稿を持ち帰っていたので、その印刷物の裏面を利用して漫画を描いていた。何十ページにもわたって物語が展開する。子供の絵心なんてたかが知れているが、本人は極めて真面目だった。当時の自慢の一つは、あらゆる角度から戦闘機を描ける、と云うもの。いらなくなった印刷物の裏面活用は、子供の情操教育に最適だったかも知れない。表の印刷面を読んでいれば、もっとマセた子供になっていたかな。

 忍者映画だから、と単純に期待して観た「忍びの者」だったが、案に相違した人間ドラマ。少々退屈だったが、憎々しい百地三太夫にイライラし、可憐な藤村志保に感動し、天井裏の恐怖のシーンに圧倒され、ぐったりして帰宅したのような記憶。懲りずに「続・忍びの者」も観ているので、きっと、依怙地になっていたに違いない。

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2008年12月 2日 (火)

リオの男

 みのる君の思考回路を刺激した映画の一つ。1963年のフランス映画。主演はジャン=ポール・ベルモンド。監督はフィリップ・ド・ブロカ。

 ジャン=ポール・ベルモンドがスタント無しで高層ビルの窓にへばりつくシーンがハラハラドキドキだったが、何と云っても、ラストの下らないオチ。ハラハラしながら観ていたのに、最後で観客を煙に巻くなんて。失礼な映画だが、良く出来たアクションコメディ。思わぬどんでん返しもあり、と云う映画の醍醐味を堪能出来る。

 ジャン=ポール・ベルモンドの出る映画の中で、出色は「大頭脳」と「ボルサリーノ」かな。前者はデイヴィッド・ニーヴンとのおかしな泥棒映画。ベルモンドが刑期満了直前に刑務所を脱獄すると云う最初のシーンで、この映画の面白さが分かる。映画の可能性だね。後者はアラン・ドロンとの共演。ドロンをすっかり喰っていた。音楽も良かった。「ダンケルク」はベルモンドがシリアスな側面を見せてくれた。多分、彼の最高傑作だと思う。「ビアンカ」と云う作品は観ていない。しばしば素敵なコメントを頂くBiancaさんと同名なので興味はあるが、TVでは放映しそうにないかな。

 「ある晴れた朝突然に」と云う映画は、あいにく見損ねているが、主題曲が好きで、当時はスペリオパイプ(リコーダー)で随分と吹いていた。そう云えば、その頃「荒野の用心棒」の主題歌「さすらいの口笛」をこのスペリオパイプで完全マスターして、毎日のように自慢して吹いていたっけ。サビのエレキギターの部分もそつ無くこなしたものさ。フランス・ギャルが歌った「夢見るシャンソン人形」もお得意だった。この曲、最初は一オクターブ上の「ド」から一音ずつ下がっていくだけ、「ド・ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・ミ」とやれば良いから、スペリオパイプでも簡単にコピー出来た。当時、楽器と云えばドラムに関心を持ちはじめた頃だったかな。時にはメロディを奏でるリコーダーや、自宅にあったオルガンにも親しんでいた。有名なクラシックの曲は楽譜を見れば言い当てられた頃。音楽の試験は毎回満点で、先生に呆れられていた。オンチなのに、不思議な才能だった。

 尚、12月3日午前1時から7時までメンテの由。この間、コメントが受けられません。ご迷惑をおかけします。

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2008年11月30日 (日)

シャレード

 オードリー・ヘプバーン主演の映画の中では、特に好きな作品。1963年、スタンリー・ドーネン監督。音楽はヘンリー・マンシーニ。

 オードリーの魅力たっぷり。サスペンスもたっぷり。ジェームズ・コバーンやジョージ・ケネディ、ウォルター・マッソーの脇も楽しめた。ケーリ・グラントが怪しくて、ハラハラしながら観ていた。ラスト近くになって謎が解ける瞬間の主人公達の表情も良かった。

 列車から男が転落するオープニングに続くタイトルバックと音楽が素晴しい。初めて映画館で観た時は仰天したものだ。こんな出だしもあり、かと思った。「ピンクの豹」(1963年)のタイトルバックにもビックリしたけれど、子供心に大変なカルチャーショックだったと思う。映画の多様な表現方法にすっかり圧倒されてしまった。多分、みのる君の世界観に多大な影響を与えたに違いない。

 みのる君の思考回路を大いに刺激した「真田風雲碌」も1963年の映画。

 改めて調べてみると、「大脱走」や「007危機一発」も同年。ヒッチコックの「鳥」や「西部開拓史」、「地下室のメロディー」、「リオの男」も「アルゴ探検隊の大冒険」やアラン・ドロンの「黒いチューリップ」も1963年の作品。中村錦之助の「一心太助・男一匹道中記」や「関の弥太ッぺ」、「宮本武蔵・一乗寺の決闘」、鶴田浩二の「人生劇場飛車角」、「次郎長三国志」、片岡千恵蔵の「十三人の刺客」、「勢揃い東海道」、吉永小百合の「光る海」や「青い山脈」も、クレージー・キャッツのコメディも、市川雷蔵の忍びの者シリーズ、渥美清の「拝啓天皇陛下様」も、みのる君の好んだ映画が1963年頃に集中していた。いずれも、みのる君に大なり小なり影響を与えた作品ばかり。みのる君の思考回路形成に1963年の映画は重大な役割を担っていたかも知れない。

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2008年11月29日 (土)

おしゃれ泥棒

 1966年、ウィリアム・ワイラー監督、オードリー・ヘプバーン主演。相手役のピーター・オトゥールにはちょっとガッカリだった。

 警報器の「誤動作」に慌てふためくシーンが一番楽しめた。コメディ映画らしい根くらべ。今の時代には通用しないだろうね。近頃はマニュアル流行り、杓子定規のファミレス応対が当然のご時世だから、警報器の誤動作が繰り返されても機械的に対処するばかり、電源を切ってしまうような愚挙には及ばんだろう。それでは映画にならない。さもありなん。観客をねじ伏せてしまう理屈を並べられると、つい納得してしまう。屁理屈も映画の魅力の一つと云う好例かも知れない。

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2008年11月25日 (火)

フォーン・ブース

 TVで、久し振りに緊迫感のある映画を観た。「フォーン・ブース」。2002年のアメリカ映画。ジョエル・シューマカー監督。コリン・ファレル主演。電話ボックスが舞台のサスペンス映画。女たちに絡まれるシーンや警官たちとのやり取り、ライフルで狙われる場面等、全編に緊迫感が満ちている。

 この映画を観る少し前に「ティファニーで朝食を」を拝見していたから、「フォーン・ブース」に出てくる街の女たちと「ティファニー」のオードリーをつい比較してしまった(男相手の商売と云う点で同業者。どちらが現実的かと云えば、多分、「フォーン・ブース」の女たちかな)。

 意外なラストシーンにガッカリ。何となく予感した通りの展開になって終わってしまい、それまでのハラハラドキドキが一気に冷めてしまった。悪い冗談かい、なんて思ってしまう。拍子抜けするような、それでいてちょっと不気味な終わり方だったけれど、一見の価値は十分にある映画。

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