青春デンデケデケデケ
1992年製作、大林宣彦監督。
1960年代半ば、日本中を席巻したベンチャーズサウンドに心酔した高校生の物語。同じ時代に青春を送った人たちには懐かしい映画かも知れない。当時の音楽がふんだんに流れるし、小道具の一つ一つからあちらこちらの景色までが時代を物語っている。ほとんどコンピュータシミュレーションに頼った「ALWAYS三丁目の夕日」の昭和30年代は嘘っぽかったが、大林作品には地方都市の昭和40年代が精緻に再現されている。岸部一徳やベンガル、根岸季衣等が脇を固めて、十分に楽しめる青春映画。
主人公が念願のエレキギターを手に入れ、早速ベンチャーズの「パイプライン」イントロの「デケデケデケ…」を真似るが、初めてにしては上手過ぎる。あの「デケデケデケ」(クロマチック・ラン奏法)は簡単そうに見えてなかなか迫力ある音は出せない。映画だから吹き替えに決まっているけれど、もう少しぎこちなくやってくれると、もっと感動的になったか知れない。演奏技術を身に付け仲間4人の息がぴったり合うまでには相当の練習量が必要。寺の一角や道路の端、学校内と場所を変えての練習や合宿練習等、特訓の様子が描かれているけれど、あの程度で息が合うかな。どうでも良い事だけれど。
高校3年間をバンドに捧げ、卒業後はそれぞれ別の道を歩む。この辺りは青春映画のお決まりのパターンだけれど、随所に斬新なスケッチが溢れていて退屈しない。主人公と同世代の軟派には懐旧談の肴にぴったり(かも知れない)。

