カミサンは、常々世界遺産に登録された熊野古道を歩きたいと云っていた。辺鄙な山道を歩いたって何の面白味も無い。みのる君は冷淡にあしらっていた。
今回の紀伊半島巡りを企画した際、カミサンは半日を古道散策に割きたいと強硬に主張、運動嫌いのみのる君は手を焼いていたが、直前になって、カミサンは他に目的を見出した為、半日苦行を取り下げ、ほんの少し古道を味わえれば良し、と柔軟な姿勢に転じてくれた。
他の目的は、京都。折りしも細川元総理大臣の個展が京都で開かれている。しかも5月の連休でお仕舞い。この機会に是非拝見したいので、京都まで行って頂戴。熊野古道を半日も歩く位なら、京都まで車を走らせた方がよっぽど楽。みのる君は快諾してしまった。
熊野古道は熊野三山へ通じる参詣道。平安の昔から熊野詣に利用された道。庶民に熊野詣が流行った頃は結構な賑わいだった由。今日では多くを国道に吸収され、昔日を偲ぶ道は数少ないと云う。主に6つのルートがあって、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産になっている由。
あらかじめ手頃なルートを調べてみたが、何処もいかにも厳しそうな道ばかり。不精者向けに短時間でいにしえを味わえるルートなんて無さそうだったが、熊野本宮大社脇に格好な古道(中辺路)がある由、本宮参詣のついでにちょっと歩ける範囲もあるみたい、みのる君は熊野古道のコースを本宮脇と決めた。
今回のドライブでも、道々熊野古道の看板を見かけ、所によっては大勢の観光客が杖を片手に古道挑戦の姿を目にしていた。内心、相当難行苦行を強いられるかな、なんてハラハラしていた。
さて、今回の旅行のメインイベント、熊野本宮を参詣した後、いよいよ古道を探したが、まるで見当たらない。おかしいな。その辺をウロウロ探し回ったが埒も明かず、やむなく一旦参道の急な石段を下って、探してみたが、やはりそれらしい道が見付からない。近くの店で古道を訊ねると本宮脇にあると云う。どうも見落としたらしい。再び、カミサンと勾配のきつい石段を上る。教えられた通り社殿の左脇へ行けば、確かに古道が北に伸びていた。案内板も無い。愛想がないね。カミサンと苦情を云いながら、ようやく見付けた古道に向かった。きつい石段を2回も往復していたから、みのる君はすっかりバテていたが、ここで諦める訳には行かない。カミサンに引っ張られながら、しばらく古道の雰囲気を味わった次第。すでに本宮を2往復して体力を消耗していたので、2、30分で万歳だ。他の古道人気スポットと違って、道行く人も少なかった。何組かの古道巡りの観光客とすれ違った程度。もう少し案内を充実して頂けると、初心者には有難かった。
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