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2008年6月20日 (金)

名月や座にうつくしき顔もなし

 元禄3年、芭蕉47歳の句、

 名月や座にうつくしき顔もなし

 一同が名月を鑑賞している。ふと我に返って回りを見回すと、不細工な顔の連中ばかり。理想と現実のギャップと云った感じ。感動的な映画がを観終わって、何気なく座席のとなりを見ると、強面の男が映画に感動して泣いているではないか。おいおい、と云った風情(ちょっと例えが極端かな)。

 この句は、改案して「月見する座に美しき顔もなし」となるが、最初は「名月や児(ちご)立ち並ぶ堂の縁」だったが、これを「名月や海にむかへば七小町」と改める。更に、気に入らないとみえて、再度推敲して、「名月や座にうつくしき顔もなし」となる。そして、最終的に「月見する…」で落ち着いた由。最初に掲げた「名月や座にうつくしき顔もなし」が、やはり秀逸だろうな。

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