天体望遠鏡の選び方
昔から天体望遠鏡に憧れながら、今日までまともなモノを手に入れたことがない。最大の理由は資金が無いことに尽きる。結構高価で、しかも比較的マイナーな趣味だから、なかなか手を出せなかった。
みのる君が高校生時分、子供向けの工作キットを入手して、初めて星を眺めた時はビックリした。無茶苦茶なピントの合わない十文字みたいな星が見える。何だこりゃ。とんでもない屈折式。色消しレンズを使っていない安物だからやむを得ないとは云え、見事に期待を裏切られ、まんまと子供騙しに引っ掛かってしまった。改めて手に入れる程の余力はなし、何とか調整工夫し、辛抱しながら月面を眺めてはスケッチしたり、太陽の黒点を観測したり、基礎知識吸収に専念するしかなかった。彗星探しを本気に考えた時期もあったけれど、口径が15㌢のフジノン双眼鏡なんか、とってもでは無いが手が出ない。軽く100万円を超える代物。
長じて双眼鏡と反射望遠鏡を買ったが、やはり安物買いの銭失い。月賦で買った双眼鏡は車に積んで、時には重宝しているが、反射望遠鏡(赤道儀付き~星を自動的に追っかける装置)の方は、肝心の架台が脆くて、一年程で微動ハンドルが駄目になってしまった。子供に星を見せてやろうと云う動機だったから、安いモンで妥協したのがいけなかった。
天体望遠鏡は、まず架台がしっかりしていないといけない。華奢な作りでは星が揺らいでしまう。倍率なんか二の次で良い。200倍とか300倍なんて倍率を強調した宣伝文句に騙されてはいけない。全ては口径(対物レンズの直径)で決まってしまう。口径の2倍程度が適正倍率の限度。対物レンズが10㌢であれば200倍(100㍉の2倍)が目安。いくら倍率をあげても、月や惑星以外は大きくならない。星々は単なる点にしか見えない。倍率を上げると逆に視野が狭くなってしまい、面白味が無くなってしまう。
対物レンズの焦点距離を口径で割ると明るさ(F)となる。焦点距離が1000㍉で口径100㍉(10㌢)であれば、F10。Fの数値が小さい程明るい。明るい程、星雲や彗星が美しく見える。
限界等級と云うのがあって、肉眼では6等星まで見えることになっている。天体望遠鏡は口径で限界等級が決まってしまう。有効口径が5㌢の望遠鏡では11.3等星、10㌢では12.8等星まで見える。それ以上は見えない。架台の安定感と口径にこだわり、惑星を見るなら焦点距離の長いレンズ、星雲や星団を楽しむならば短い焦点距離を選ぶと良い。
迫力たっぷりの星雲写真や銀河写真が天文雑誌なんかで紹介されるけれど、肉眼では見えない。写真のような映像を期待してはいけない。写真は全て長時間露光の成果。最近はデジタル技術が進化して、アマチュアも天文台並みの星雲写真が撮れるようになったが、いずれにしろ技術の勝利。これを期待して望遠鏡を買うと、必ず裏切られてしまう。
みのる君みたいな金欠病が清水の舞台から飛び降りると、大抵、銭失いの憂き目にあってしまう。時には妥協を拒否する勇気も必要だろうなと思う。
| 固定リンク
コメント
天体観測がお好きなようで☆
僕も昔、月の表面を望遠鏡で見たことがありましたが、感動しました!
もう一度見てみたいものです。
すてきなご経験をお持ちですね。JAXAの映像も魅力的です。 (稲)
投稿 元木 | 2008年3月31日 (月) 12時42分